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花まる学習会王子小劇場の企画発起人の佐藤孝治の観劇ブログです。

「ゾーヤ・ペーリツのアパート」時間堂シリーズ発掘02を東京芸術劇場シアターウエストで見てきましたよ。7/30(土)13:30

[時間堂 シリーズ発掘02] "Jikando Rediscovery series #02"ゾーヤ・ペーリツのアパート Зойкина квартира "Zoyka's apartment"2016年7月29日(金)~31日(日)東京芸術劇場シアターウエストを見てきました。

劇場についたら黒澤世莉さんがお出迎え。その奥に玉置玲央さんがおられたので、ご挨拶をしたところ、本日アフタートークのゲストだそうです。

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安心してください。壮大なコントでした。

ソビエトとかロシアとかブルガーコフとか聞くと、なんだか敷居が高い感じがしますが案内にあるように「狂騒と幻想のブラック・コメディ」でした。壮大なコントでした。

人物関係が名前が 「ゾーヤ・ペーリツさん」とか「イヴァン・ヴァユーリュヴィッチさん」とか「オボリヤニーノフさん」とかがつぎつぎと出てきて、なかなか話が掴めないでいたのですが、徐々に掴めてきました。

休憩時間に外に掲示されていた人物相関図を真剣に読み込んだら、前半に掴み切れていなかったお話がスッキリ見えてきました。(事前にサイトの情報を読み込んでから行くとよろしいかと思います)

 

「198回も上演されるほどの爆発的な人気を誇りながら、たった3年で発禁になったブルガーコフの超・問題作、日本初演。」という作品を発掘してくる黒澤世莉さんのセンスは、ちょっと他とは違いますね。

サイトで紹介されている

1920年代、ソビエト連邦―個人の自由が厳しく規制され監視される世界。革命により財産を失ったゾーヤは「縫製アトリエ」を開く。その正体は、絢爛豪華なマネキン嬢が夜ごとに歌い踊る「娼婦の館」だった…。元貴族、詐欺師、成金商人、麻薬密売人、汚職役人、死体男たちが入り乱れ、札束と裸体が飛び交う、狂騒と幻想のブラック・コメディ。」

という説明は、まさにその通りでした。

舞台が「縫製アトリエ」ということで、衣装にこだわっていて、その衣装を奇麗に見せるために照明にこだわっていて、布が垂れ下がっていることで表現されている空間の奥行きが舞台を豊かにしていました。黒太剛亮さんの照明は流石ですね。もの凄いつっていました。同時に中高生演劇サマースクール2016 集中コース発表公演『僕たちはなんとなく幸せになるんだ』の照明も担当しているのにどっちもすごい。

アフタートークの柿喰う客の玉置玲央さんは、この舞台をみて「ほっこりした」そうです。2007年の時間堂の公演「3人姉妹」に出演しています。玉置玲央さん曰く黒澤世莉ってこう言う人で、時が過ぎても変わらないものがあってほっこりした。洗練されて、肥大化して、とかではなくかわらないものがある安心感がある。ここに帰ってきたなあと思った。嬉しいし、ありがとうと思いました」だそうです。

このお話を聞いて「ほっこり」しました。一緒に舞台をやったもの同士の感覚なんでしょうね。

私の感想は、黒澤世莉ってこういう感じもやるんだなと思いました。もちろん、黒澤世莉ワールドの中にいるのですが、ロシアアバンギャルドでバーンというか、大騒ぎな感じで、照明もどーんという感じが新鮮でした。

かっこいいTシャツが売っていたので、購入して早速着て記念写真です。

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jikando.com

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台本:ミハイル・ブルガーコフ [wikipedia]
Михаил Афанасьевич Булгаков "Mikhail Bulgakov"

翻訳:秋月準也 Junya AKIZUKI
(日露演劇会議叢書ブルガーコフ戯曲集1より)

演出:黒澤世莉 Seri KUROSAWA

出演

菅野貴夫 Takao KANNO
鈴木浩司 Koji SUZUKI
直江里美 Satomi NAOE
ヒザイミズキ Mizuki HIZAI
阿波屋鮎美 Ayumi AWAYA
松井美宣 Minori MATSUI
尾崎冴子 Saeko OZAKI
國松卓 Taku KUNIMATSU (以上、時間堂)

東谷英人(DULL-COLORED POP) Eito AZUMAYA
綾田將一 Shoichi AYADA
五十嵐優 Yu IGARASHI
海老原恒和 Tsunekazu EBIHARA
大川翔子 Shoko OKAWA
木山廉彬 Yukiaki KIYAMA
佐藤幾優 Ikuma SATOU
白石花子(劇団民藝) Hanako SHIRAISHI
中谷弥生 Yayoi NAKATANI
堀田創(ECHOES) So HORITA

得丸伸二(文学座) Shinji TOKUMARU

198回も上演されるほどの爆発的な人気を誇りながら、
たった3年で発禁になったブルガーコフの超・問題作、日本初演

1920年代、ソビエト連邦―個人の自由が厳しく規制され監視される世界。
革命により財産を失ったゾーヤは「縫製アトリエ」を開く。
その正体は、絢爛豪華なマネキン嬢が夜ごとに歌い踊る「娼婦の館」だった…。

元貴族、詐欺師、成金商人、麻薬密売人、汚職役人、死体男たちが入り乱れ、札束と裸体が飛び交う、狂騒と幻想のブラック・コメディ。

―すべては、突然破綻する。

[シリーズ発掘]

【埋もれてしまった名作戯曲】×【時間堂の瑞々しい演技】=【力強くて面白い演劇】
日本では知られざる世界の名作戯曲を、時間堂が勝手に発掘しスポットを当てるシリーズ。2013年のリリアン・ヘルマン作『森の別の場所』に続き、今回は『巨匠とマルガリータ』等の幻想的な小説で熱烈なファンを持つロシアの国民的作家、ミハイル・ブルガーコフの戯曲を発掘。秋月準也氏の清新な訳で、日本初演に挑む。

公演日程

2016年7月29日(金)~31日(日)

29日(金) 13:30★ / 18:30

30日(土) 13:30◎七字英輔氏(劇評家)/ 18:30

31日(日) 12:00◎秋月準也氏(『ゾーヤ・ペーリツのアパート』翻訳者)/ 17:00

受付開始は開演の60分前、開場は30分前です。
上演時間は2時間45分(休憩10分含む)を予定しています。
★プレビュー
◎ポストパフォーマンストーク(終演後)

会場

東京芸術劇場 シアターウエスト
〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-8-1
03-5391-2111
アクセス JR・東京メトロ東武東上線西武池袋線 「池袋駅」西口より徒歩2分
駅地下通路2b出口直結