読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

演劇×(教育×地域×採用)

花まる学習会王子小劇場の企画発起人の佐藤孝治の観劇ブログです。

【芝居】東京学生演劇祭2016 参加9作品 9月2日11時A/15時B/9月3日11時C

東京学生演劇祭は2015年に誕生

東京学生演劇祭は、沢大洋さん @taiyo_sawa(京都学生演劇祭プロデューサー)を発起人として2015年に誕生しました。東京各地の大学の学生同士が演劇を通じて共同する場を設けることで、東京・関東の学生演劇の交流と発展を目的に開催されています。

東京学生演劇祭2016の参加団体は、劇団リトルスクエア(上智大学)、なべ☆ほし企画(立教大学)、亜人間都市(早稲田大学)、くらやみのいろ(多摩美術大学)、晩餐ヒロックス(日本大学)、劇団しょっきんぐパズル(インカレ)、 the pillow talk(早稲田大学)、水道代払いたい(東京工芸大学)、シラカン(多摩美術大学)の全9団体です。

f:id:kojisato515:20160904093605j:plain

そして、全国各地で演劇祭が開催されていて、それぞれの優秀団体は全国学生演劇祭への出場権が与えられます。壮大なプロジェクトです。

f:id:kojisato515:20160904093830j:plain

全国各地の学生演劇祭

2016/6 札幌学生対校演劇祭 HP /  TW

2016/8 福岡学生演劇祭 HP /  TW

2016/8 京都学生演劇祭 HP /  TW

2016/8 東京学生演劇祭 HP /  TW

2016/9 とうほく学生演劇祭 HP /  TW

2016/9 名古屋学生演劇祭 HP /  TW

2016/9 大阪短編学生演劇祭 HP /  TW

2016/10 中国地方学生演劇祭 HP /  TW

2017/1 愛媛学生演劇祭ORANGE HP /  TW

そして、2017年2月24日〜27日にロームシアター京都 ノースホールにて第2回全国学生演劇祭が開催されます。各地の学生演劇祭から勝ち上がった団体が出場する全国規模のフェスティバルです。

国学生演劇祭 HP / TW

このような全国規模の演劇フェスティバルが花まる学習会王子小劇場で開催されていることが嬉しいです。ありがとうございます。若い才能が集い刺激を与え合う場っていいなあ。審査員は観客発信メディアWL友田健太郎さん ( @theatrum_WL )、鳥公園 主宰・作演出 西尾佳織さん ( @torikouen ) です。

大賞を受賞した団体は全国学生演劇祭の出場権が与えられます。大賞の計算方法は(審査員平均点×1.3)×10+(観客平均点)×10+(3ブロック通し券入場者得点)ー(減点)の最高得点団体を大賞に選出。要は、審査員と観客の投票によって決まるということですね。さらに、観客賞、審査員特別賞、個人賞があります。どんな結果になるのか、気になっています。

参加劇団は全部で9団体でした。

==A==
▼劇団リトルスクエア「様子の展開劇場」HP / TW
劇団紹介:1981年創立の学生演劇団体です。年に複数回公演を打っています。本当に色々とやっているので逆にこれといった特色はありません。現在の所属人数はだいたい50人ぐらいです。全員良い人です。​

作品紹介:​ある会社の給湯室で談笑する人々。この様子はどのように展開するのか!?それともしないのか!?展開した場合、状況は果たして収束するのか!?もしくはしないのか!?上智大学がお送りするその一連の様子に乞うご期待!!

▼なべ☆ほし企画「片付け(仮)」HP / TW
劇団紹介:結成2年目の2人組劇団。ジャンルは色々、少し変わった雰囲気の作品を作っています。今回は明るく楽しい作品に挑戦です。

作品紹介:几帳面な家主と部屋を散らかす居候のお話。

亜人間都市「神(ではない)の子(ではない)」HP / TW

劇団紹介:早稲田大学の演劇サークルより発足。ジエン社、DULL-COLORED POPなどの現場で演出を学んだ黒木洋平が主宰を務める。劇的構造に囚われた現実を、構造の解体によって想像力の中に取り戻し、これからの世界を生きてゆくための作品制作を目指す。​

作品紹介:一組のカップルのもとに訪れた奇跡と、その周囲の人々が織り成す喜劇は、中心の不在を通じて〈神〉へと接続する--。当作品は〈他者への旅路〉二部作の第一部として〈他者〉との関わりを描くと同時に、亜人間都市の旗揚げ公演として一つの方向性を示します。

==B==

▼くらやみのいろ「胎児の夢」HP / TW

劇団紹介:多摩美術大学三年寺澤亜彩加が、2015年に結成。同年7月「くらやみのいろ」にて、旗揚げ。今回が3回目の公演となる。

作品紹介:サ/ク

▼晩餐ヒロックス「​19年、或いは20年前。」HP / TW
劇団紹介:日本大学芸術学部演劇学科演出コース4年の渡部寛隆が2015年11月に結成した個人ユニット。その都度、主宰が直接オファーしたキャストと「場所」や「現在」に重きを置いて作品を創り続ける。人生のテーマは伝統と信念。

作品紹介:せいしの話。今日も、どこかできっとこんな物語があるから、信じて生まれてくる。

▼しょっきんぐパズル「かじつノヨウナモノ」HP / TW
​劇団紹介:劇団しょっきんぐパズルは、高校演劇部のメンバーが再集結し2015年に結成を果たした演劇団体です。今年3月には、スタジオトルク様にて旗揚げ公演を行いました。現在、東京から新潟まで様々な大学の劇団員が所属しています。

​作品紹介:現代版、アダムとイブ、のようなもの。

==C==

▼the pillow talk「腰抜けは道徳と遊んでろ」HP / TW
​劇団紹介:2015年3月、早稲田大学演劇倶楽部の役者・西村優駿、劇作演出・むつみあきが起ち上げた演劇ユニット。同年7月に役者・伊與田成美が加入し、活動が加速。軽薄で過剰な会話を通して、瑣末な日常に壮大な疑問を!

作品紹介:おそるべしや、道徳教育。

▼水道代払いたい「せかいのはじめ」HP / TW
劇団紹介:東京工芸大学に在学する上玉利と杉原によるユニット。東京と香川という離れた地の高校で演劇をしていた2人が大学で出会い、演劇サークルには入らずユニットを結成し、東京学生演劇祭への参加を決める。演劇祭では上玉利による一人芝居を上演予定。

作品紹介:この劇場は1998年7月にオープンしたそうです。私は1997年9月に生まれました。この演劇祭は2015年9月に始まったそうです。……いつか終わりは来るのかな。私はこの劇場で、この演劇祭で、演劇をする。わたしはそうして生まれて、そうして死ぬ。せかいのはじめ。

▼​シラカン「永遠とわ」HP / TW
劇団紹介:多摩美術大学演劇舞踊デザイン学科2期生を中心に結成。西、芳野が共に作・演出を担当し、多ジャンルの表現を試みながらアンチカテゴライズを唱え、東京五輪以後を見据えた活動を行う。

​作品紹介:3人の男女が出る会話劇です。

佐藤孝治の観劇感想です。

 ==A==

▼劇団リトルスクエア「様子の展開劇場」
会社の休憩室での何気ない時間。確かに、あんな感じですね。いくつかの会話が同時に進行していくと、リアルな感じはするのだけど、話を追うのは大変でした。リアル感を出すために、狙いで少しの時間、役者が同時にセリフをしゃべる展開になる舞台は見た事がありますが、ずっと同時進行で続くのは、珍しいですね。最初から最後まで、普通というか、自然でした。もっと凄い何かが起こるのかなと思っていたのですが、普通でした。ピーポくんのくだりが好きです。

▼なべ☆ほし企画「片付け(仮)」
引きこもりと家で少女の生活。几帳面にこだわっている引きこもりとメルヘンな少女が衝突する。元気いっぱいの大きな声で大きなリアクションで展開して行く。効果音、照明を駆使して盛り上げる。不思議な世界観なんだけど、妙に惹き込まれました。二人芝居でこれだけ魅せることができるのは凄いと思いました。役者のパワーがないと二人芝居はなかなか難しいので、凄いなあと思って観ていました。

亜人間都市「神(ではない)の子(ではない)」
不思議な踊りをしながら、不思議なしゃべり方で物語が展開して行くお芝居。不思議な世界観を表現する方法として、こう言うやり方があるんだなあと思いながら見ていました。途中からタフなお芝居だと思いました。役者さんを見ていると、不思議な踊りをずっと続けているのは辛そうでした。10分くらい経って、なるほどこれは最後までずっとこの感じでやり切るのかと思ってからは、何となく、お坊さんの念仏を聴いているような感覚になっていきました。演劇において作家は神であるということを、あやめ十八番 の「雑種 花月夜」を見た時に感じたのですが、今回も思いました。

 

==B==

▼くらやみのいろ「胎児の夢」
肉体で表現する芸術を見ている感じでした。真っ暗闇の中で、何かをしている。床のきしむ音、衣装がこすれる音が聞こえてきて、だんだん目が暗闇に慣れてきたけど、よく見えない。もしかして、照明トラブルで光をつけたいけど、つけられない状態なんじゃないかとドキドキしました。かなり長い間暗闇の中で、過ごしていたので、いろいろと考えてしまいました。照明が両サイドから点滅をして、ホッとしました。いままで見た事のないタイプの演劇でした。「胎児の夢」というタイトルから、いろいろとこういうことかなと想像しながら、見ていました。小さな声でセリフをいう演出なのかもしれませんが、もう少し声を大きく発生して欲しかったです。

▼晩餐ヒロックス「​19年、或いは20年前。」
面白かったです。Bブロックはたまたま似たテーマのお話でした。せいしのお話でした。渡部寛隆さんが10代の終わりくらいから書きたいと思っていて、20歳の時に書いた作品だそうです。役者さんがみんな元気で、楽しく観劇させていただきました。脚本も演出もしっかりしていて、安心して観ることができました。「あいうえお、かきくけこ、さしすせそ、たちつてと」には輪廻転生の意味が込められているというお話が面白かった。

▼しょっきんぐパズル「かじつノヨウナモノ」
カフェで男子二人がお話している。シンプルなセットだけど、リアルなカフェを感じた。男子二人のキャラクターがそれぞれ濃くて、ジワジワと面白い。定員との何気ないやり取りがジワジワとおかしい。街ですれ違った、女性に恋をした話をしていたら、定員と友人だった。不思議なご縁で、4人で合コン的な場になる。恋をした相手が女装した男。その状態がいろいろと、ジワジワと可笑しい。じわじわと可笑しい演劇でした。

==C==
▼the pillow talk「腰抜けは道徳と遊んでろ」

5人の男兄弟が家庭の喫煙場所で話をしている。前半、四男の悟の説明セリフが沢山あって、随分、説明するお芝居だと思いました。しかし、配布された人物相関図を観ると、説明しないと分からないかもしれないと思いました。話が盛り上がってくると、説明はなくなり、面白くなっていきました。冗談かどうかをちゃんと見極めることができないと危ないですね。一体全体これからどうすればいいんだというところで、物語は終わります。どうするんだろうなあという気持ちが大きくなりました。

▼水道代払いたい「せかいのはじめ」
女の子の一人芝居。「はじめますー」と言って、カウントダウンされて、お芝居が始まるということが、何回も繰り返されます。私はいつから私なのか。私が終わっても、世界は続いて行く。王子小劇場は1998年7月にオープンしました。主演の上玉利明音さんが「私は1997年9月2日に生まれました」と言ったのを聴き、この王子小劇場で沢山の役者さんがいろいろな物語を紡ぎだしてきたんだなあということを感じて、これからも演劇がはじまって、演劇が終わるんだなあと思いました。しみじみしました。

▼​シラカン「永遠とわ」
3人の男女が出る会話劇。男は女のことが好きだけど、女は光る机が好き。女のお友達は男の事が好き。男のセリフが空回りしていて面白い。男のことが好きな女のお友達の女が、取り乱してぐるぐる回る動きや、興奮して後ろに倒れて、ヨガのポーズみたいな状態で文句を言いまくるなど、面白すぎる。会話の面白さで惹付けられて行くと、後半は、観客の想像を超えた世界になって行く。「えっ?えっ?えっ?」と脳内が反応しているのが自分で分かりました。今後どんなお芝居が生まれてくるのかワクワクします。