演劇×(教育×地域×採用)

花まる学習会王子小劇場の企画発起人の佐藤孝治の観劇ブログです。

脳出血で倒れてから100日目の5月18日に練馬区の久松湯にて退院後初天然温泉に入ります

退院後の初観劇はヨハクノート「真夏の夜の夢」【原作】W.シェイクスピア【潤色・演出】臼杵遥志 花まる学習会王子小劇場です。5/19[土] 13:00です。

www.yohakunote.com

脳出血100日目となる5月18日20:30頃に練馬区桜台の天然温泉久松湯に参ります。

久松湯のテーマは「光と風、雑木林の中の銭湯」。地下1500mから湧き上がる「ナトリウム一塩化物強塩」の源泉を露天風呂で、しかも都内一律の公衆浴場料金である460円で楽しめるとは驚きです。脳出血から100日目に温泉に入ることができることに感謝です。

脳出血で倒れてからの100日間をご報告します。

観劇して心と体に刺激を与えることがとても良いと確信しているので観劇と観劇ブログをゆるりと再開したいと思います。

脳出血」は年間4万5千人の死亡者が出ている病気で、死因順位は1位「悪性新生物(ガン)」、2位「心疾患(心臓)」、3位「肺炎」に次いで第4位です。あなたが健康で過ごしていただくためにお役に立てていとただければ幸いです。

私、佐藤孝治は、脳出血(左被殻出血)により2018年2月7日から5月10日までの93日間に渡り、入院をしておりました。「佐藤佐吉大演劇祭2018 in 北区」の王子地区商店コラボポスターに起用されたにも関わらず入院してしまいました。

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入院中に自分で歩けるようになってからは「佐藤佐吉大演劇祭2018 in 北区」の3作品とお誘いをいただいたスズプロの作品を拝見しました。劇場まで歩いていくということがリハビリテーションになると同時に、演劇のパワーをいただき元気になりました。

2月 7日 脳出血が発症し会社で倒れ明理会中央病院に入院
3月 1日 イムス板橋リハビリテーション病院に転院
3月25日 クロムモリブデン『たまには海が泳げ!』
3月31日 劇団スポーツ『グランマに伝えて、アニーは不死身。』
4月 8日 シラカン『坦々とおこり』
4月30日  スズキプロジェクトバージョンファイブ本公演『Z-Studio ~ゾンビ映画は愛を育む~』
5月10日 退院
5月15日 46歳誕生日を迎える
5月16日 仕事復帰
5月18日 久松湯にて退院後初温泉

 

現在は、日常生活には全く不便がないくらいまで回復いたしました。倒れた時に100キロあった体重は85 キロになりました。現在、残っている右手と右足の痺れと痛みを改善するために、必要な治療や各種トレーニングを継続して行なっています。

 

■入院から退院までの経緯

2月7日の朝、会社にて倒れました。脳出血(左被殻出血)により、右方麻痺、いわゆる半身不随といわれる状態になり、救急車で明理会中央病院に搬送されました。私の記憶は断片的なのですが、家族に聞くと何を言っているのかわからない状態だったそうです。

脳出血は、脳の動脈の一部が破れ、脳の中に血液があふれ出る病気です。動脈の破れた部分は自然にふさがり、出血はまもなく止まりますが、あふれ出た血液が固まって血腫(けっしゅ)ができ、この血腫が脳を圧迫したり破壊したりして、脳のはたらきが阻害され、さまざまな神経症状が現われてきます。手術をせず、保存的に加療することになりました。

翌日からリハビリテーションが始まりました。私の場合は、右方麻痺と失語が現れました。右腕が全く動かず、歩くことができず、うまく喋れない状態で、この先どうなるのだろうかと思いながら、祈る気持ちで毎日リハビリをしていました。2月16日から徳田博丸さんにいただいたハンノキ発酵エキス ちむぐくる を飲み始めました。2月の後半になると、病院内を歩けるようになり、右手も動くようになり、ゆっくり喋れるようになりました。車椅子の操作はかなり上達して、病院内を自由に動いて売店に行ったり、ラウンジに行ったりしていました。

 

お見舞いでたくさんの元気をいただきました。

3月1日にイムス板橋リハビリテーション病院に転院し、本格的なリハビリがスタートしました。理学療法士作業療法士言語聴覚士の3人のリハビリスタッフとマンツーマンで1日3枠3時間 のリハビリを土日祝日も休みなく毎日行いました。理学療法士のリハビリでは、歩くことができるようになるために、足の筋肉を徹底的に鍛えました。高校時代のバスケ部の夏合宿のことを思い出しました。

転院してすぐは95キロありました

3月8日には車椅子を卒業できました。自分で歩けることが嬉しくて自主トレも積極的にやるようになりました。3月25日には外出許可を得て「佐藤佐吉大演劇祭2018 in 北区」を開催中の花まる学習会王子小劇場で観劇しました。クロムモリブデン『たまには海が泳げ!』を見ました。3月31日には王子スタジオ1にて劇団スポーツ『グランマに伝えて、アニーは不死身。』を観劇しました。

4月9日には「イムス板橋リハビリテーション病院 2018年新入社員研修 自分らしく活き活き生きるファーストステップ」を行いました。3月2日に作業療法士リハビリスタッフの方から「4月に入社する新入社員たちにお話をしていただけませんか?」とお話をいただきました。まさに「オーダーメードのリハビリテーション」でした。私が実現したい希望を踏まえて実用的・応用的練習をご提案していただきました。「1ヶ月で歩けるようになり、立った状態で講演ができるようになる」ということを強烈にイメージしてトレーニングに励みました。1時間の講演のために1ヶ月かけて準備をしました。無事成功し自信につながりました。みなさんからのアンケートは私の宝物です。

リハビリの目標に「和太鼓を以前に近いレベルで再開できるようになる」を掲げ3月からずっと練習をしていました。4月8日に大江戸下町太鼓の練習に参加しました。たった2曲叩いただけだで、物凄い汗をかき、血圧は150を超えていました。4月22日の練習では落ち着いて叩けるようになりました。4月22日には赤羽馬鹿祭り2018大パレードを家族で観戦しました。5月6日の稽古にも参加しました。

入院中に多くの友人と親戚がお見舞いに来てくださいました。失語の障害のリハビリテーションには友人とのお話がものすごい効果がありました。本気のキャリア相談、独立相談、人生相談をさせていただくことも多かったのですが、ものすごい実践型リハビリテーションになりました。ありがとうございました。

弊社の社員が2年目になったと報告してくれました

色々と考えて、入院していることを、退院した後にご報告をさせていただくことにさせていただきました。メールやメッセージをいただいた方にご連絡をさせていただいておりましたので、ご連絡ができていない方が殆どの状態になっておりました。ご容赦いただければ幸いです。たまたま、用事がありメッセージを下さった方が、驚いてその日のうちに来て下さったこともありました。本当に素敵な仲間とご縁をいただいていることに幸せを感じる日々でした。ありがとうございました。

医師、看護師、薬剤師、リハビリスタッフ、医療相談員、病院スタッフの皆さんに大変お世話になりました。家族に何から何までサポートしてもらいました。5月9日に最後のリハビリテーションを終え、5月10日に退院することができました。ありがとうございました。

 

みなさんでお見送りしてくださいました。ありがとうございました。

■脳外科の主治医に今後のことを相談しました

イムス板橋リハビリテーション病院を退院した後に、急性期にお世話になった明理会中央病院の脳外科の主治医に今後の治療について相談に行きました。そこでお話を聞いて改めて、本当に大変な病気だったのだと思いました。「後遺症がない状態を目指す」「体重75キロを目指す」「仕事で最高で最善の状態を目指す」という3つのことを達成するまで禁酒することにしました。

以下のようなお話をお聞きしました。

3月7日の倒れた直後の写真を見ると、大きな白い血の塊があります。これが時間と共に徐々に血が吸収されていきます。3月23日の写真を見ますと、まわりがこのように黒く抜けているのは出血したところの周りのむくみが残っているんです。徐々にもやっとしてきて消えてきてるのが分かります。そして、これが今日の写真ですがこれはもうむくみというよりも傷跡になってきています。黒く抜けています。時間がもっと経ってくると、もっと神経が脱落して、もっと小さい傷跡になってくるのですが、それは、神経が完全に死んじゃってる状況です。出血した部分は神経が食われて死んでしまうんですよ。

一番最初に言葉がでなかった状況になったときは、出血して周りの神経を圧迫している場合と神経そのものが死んでしまって生き返らない場合があります。強い後遺症が残っている人は手足が動かない状態で、それがなぜかと言うと神経が死んでしまっているという状況だからなんです。

倒れた直後に比べて徐々に良くなってきているのはなぜかと言うと、佐藤さんが若いということと、自分自身が生き残った神経が新たにネットワークを作ろうと、戻そう戻そうとして治癒力が働いていたからなんです。さらに、リハビリテーションに入っていただいたのは、そういう治癒力を後押ししてくれるからなんです。

佐藤さんが、これだけ元気に帰れたということは本当にラッキーだったんです。出血した血が大切な所の神経を完全に食ってしまって、もう、戻ることができないという状況だったら寝たきりだったんです。それを、今の医療で、お薬を入れてあげる、手術をしてあげるということをしても神経を戻すことはできないのです。今の医学の力では脳の神経を生き返らせることはできないのです。

脳出血脳梗塞が起きた時、脳外科の出番にはなるのだけれども脳外科医の力では元に戻してあげることはできないんです。脳の中でことが起きた後に元に戻せるかどうかはご本人次第なんです。そして、後はリハビリテーションを行うしかないのです。

僕ら脳外科の医師がやってる治療というのは急性期の時に、出血が大きくならないように管理をしたり、生きるか死ぬかという状況になった場合には手術をすることもあるけれども、その場合には、寝たきりになってしまうことが多いのです。

佐藤さんは不幸中の幸いでした。さらにラッキーだったのは、その後佐藤さんが頑張ってくれてここまで何とか頑張ってくれたということなんですよ。同じような出血の状況であったとしても高齢だった場合は難しかったでしょう。同世代の方で同じような出血の状況でも出てくる症状が厳しい状況になったりするんです。

「そんなことを、今言われても」ということかもしれないけれども、実際にこういう事って起きてしまったら、脳外科医としてもなんともしてあげられないということが多々あるんです。一番大切なことは、脳に対する内科的な治療が起きない方が良くて、脳外科医の出番にならない方が良くて、内科の先生とコミュニケーションをしっかりとっていくことができるような自分のライフスタイルに組み込みやすいところにクリニックに行っていただくのが一番大切です。

6月に入ったらMRIを撮らせていただきます。そして、お近くのクリニックの内科の先生をご紹介いたします。頭の写真を撮って 何かが大きく変わるということはないとは思うけれども、今回大きなことが起きたので頭の写真を定期的に撮っていき、脳外科の確認は必要ないじゃないでしょうかというところまで行きましょう。

急性期の治療では、止血と同時に血圧のコントロールをしていました。血が飛び出してしまったところを、血圧を下げればあげれば血を止めることができます。しかし、治療をしてがっつり血を止めたとしても、広がっていってしまう人もいるんです。そうなってくると生きるか死ぬかという状況で手術になってしまうのです。

そういう場合、手術をやったとしても死んでしまった神経が生き返るわけではないので、言葉は悪いけれども命を救うだけになってしまうのです。脳を切り込んで行って出血をババっととって行くようになってしまうので、そこまでいきついちゃうと、行き着くところまで行き着いちゃってる状態なので、寝たきりはもう覚悟しなくてはいけなくて、場合によっては意識が戻ってこない可能性があって、それくらい危うい状態ではないと手術はできないのです。脳外科の治療の現場で緊急の手術でいいことはないのです。そうなって欲しくないから、僕ら脳外科は躍起になってこういうことをお伝えしています。

感覚のおかしさというのは、リハビリを頑張ってもなかなか良くならないんです。感覚に違和感があるとか痺れとかははなかなか良くならないです。半年経って残ってしまったものが後遺症です。佐藤さんの場合は8月まであるので、もっともっと良くなることを期待しています。佐藤さんは、大変なことが起こったけれども、ここまでやってくることができて本当によかった。もちろん油断してはいけませんよ。頑張っていきましょう。

■仕事復帰の準備をしています

脳外科の主治医の先生にお話をお聞きして、自分の幸運に感謝しつつ、仕事復帰のための準備を進めています。右手と右足の痺れと痛みを改善するために必要な治療やトレーニングを行なっています。色々と素晴らしい方法を教えていただきました。今後、自分の体にあっていると感じたものに挑戦して行きたいと思います。

5月10日 明理会中央病院にてリハビリテーションをしてくださったお二人に退院の報告に行きました。「果たして治るのだろうか」「いつ治るのだろうか」という不安で一杯だった時に、私以上に一生懸命リハビリをしてくださいました。ありがとうございました。

自分よりも一生懸命私のことを考えてくれていました

5月10日 すずき美容室東大島駅)にて髪をカット。5年前に一緒にインド合宿に行った安崎舜くんが日本一の美容師を目指して修行を経て親子三代続く老舗美容室の3代目店主になりました。美容室で感動したのは初体験です。また別途詳細を書きたいと思います。

5月11日 トヨタ自動車『 Toyota Global Impact 』見学。2月7日に倒れるまでは私がナビゲーターを務める予定だったイベントに行きました。私では到達できなかったレベルに進化していました。働くことの本質を対談でお聞きして刺激を受けました。

5月12日 あいナチュラル鍼灸院吉祥寺駅)にて鍼灸治療。新卒で入社した会社の同期の中山 かおりさんが院長を務める鍼灸院で15年前から学び始めて10年前に開業されました。施術してもらっている最中に効いていることを確信しました。

5月13日 大江戸下町太鼓で和太鼓奏者の活動を再開。和太鼓は改めて健康になるためのエクササイズとしても素晴らしいと確信しました。ご興味がある方は、一緒に和太鼓をしませんか?私が和太鼓の叩き方をレクチャーいたします。毎週日曜9時から12時までです。

5月16日 ジョブウェブの仕事に復帰しました。

5月18日 練馬区の久松湯にて退院後初天然温泉に入ります

2018年5月18日 佐藤孝治