演劇×(教育×地域×採用)

花まる学習会王子小劇場の企画発起人の佐藤孝治の観劇ブログです。

くによし組「ケレン・ヘラー」作・演出 國吉咲貴 2018/5/30日㈬~2018/6/3日㈰9st.花まる学習会王子小劇場

実は、入り口に「終演予定14時10分」を書いてあるのはありがたい。ありがとうございます。

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くによし組「ケレン・ヘラー」を観てまず思ったのは、演劇って面白いなあ、こんなことができちゃうんだよなぁということでした。テレビや映画の演出とは違う演劇ならではの面白さ。演劇を見たことがないという人に見てもらったら、演劇ワールドへすーっと入って来れるんじゃないかな。観て欲しい。

まず本が面白い。何をどうやって考えているとあんな物語が紡ぎ出されるのか。國吉咲貴さんの頭の中がどうなっているのか解剖して覗いてみたい。実際に解剖をしても脳みそしか見えないんですが覗いてみたい欲求が高まってきます。くによし組のコンセプト「異常で、日常で、シュール」が好きです。

細かい演出が心地がいい。シーンが切り替わった時に、前のシーンの役者がまだ舞台上に残っていて、その役者が舞台のコードを片付けている演技によって時間と空間がつながっていて心地いい。

店長とアルバイトたちが舞台の外側じゃら出てくる時に微妙に声の大きさが少しずつ高まっていく演出がとっても自然でリアルだった。そこは古本屋の休憩室であることが すーっと入ってくる。

そして役者がすごい。津枝新平さんが「携帯電話を消してください」というお願いから物語の進行役になっていくのですが、役者ってあんなに変わっちゃうんだなーと びっくりです。役者はなんにでもなれると思いました。國吉咲貴 さんは完全にロボットでした。三澤さきさんがアフロ子ちゃんに変わる瞬間を目撃しました。一人一人が輝いてました。

各方面から「ものすごい面白い」という情報が入ってきましたが、みなさんのこれまで感じた事ってこれですねと嬉しくなりました。くによし組「ケレン・ヘラー」を目撃できてよかったです。

くによし組は、昨年の佐藤佐吉賞2017の脚本賞・衣装賞・主演男優賞・助演女優賞の4部門において優秀賞を受賞した劇団です。脚本・演出の國吉咲貴さんは様々な戯曲賞でノミネートを果たし確かな筆力を持っています。

國吉咲貴さん受賞歴
佐藤佐吉賞2017優秀脚本賞「サバンナモンキーの憂鬱」
・第3回せんだい短編戯曲賞最終候補「路上芝居」
・第4回せんだい短編戯曲賞最終候補「隣の隣人」
・第21回劇作家協会新人戯曲賞最終候補「アキラ君は老け顔」
・伊参スタジオ映画祭シナリオ大賞2016短編部門「彼女はくの一」

今回の作品ですが、あらすじを読んだだけで、めちゃくちゃおもしろいです。

「ケレン・ヘラー」あらすじ
ヘレン・ケラーのパロディコント「ケレン・ヘラー」が持ちネタだったコンビ、ポジティbooは、不謹慎だと騒がれ活動停止に。相方に愛想を尽かされ一人になってしまったアフロ子は仕方なくお喋りロボットのサリバンちゃんを買いツッコミを覚えさせていく。そんな時、神様さんという幻覚が現れた。神様さんのおかげで生活が順調に回り出したころ、アフロ子は自分の目と耳に異変が起きていることに気付き・・・

くによし組の作品では独特な世界観の物語が繰り広げられ、いいセリフ・いいシーンがこれでもかと登場するそうです。本当に怒涛のようにいいシーンが展開されていきます。くによし組の世界に没入しました。

entre-news.jp

明日6月3日まで。

花まる学習会王子小劇場最新公演情報
くによし組「ケレン・ヘラー」

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