演劇×(教育×地域×採用)

花まる学習会王子小劇場の企画発起人の佐藤孝治の観劇ブログです。

東京学生演劇祭2016大賞は劇団シラカン「永遠とわ」でした。おめでとうございます。

8月31日(水)から9月4日(日)まで花まる学習会王子小劇場で開催された東京学生演劇祭2016の閉会式がありました。東京学生演劇祭2016大賞は劇団シラカン「永遠とわ」でした。おめでとうございます。

たまやまさとるさんが「シラカンはどこがおもしろいのか」について書きました。なるほどそういうことか、面白いなあと思いました。

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東京学生演劇祭2016大賞受賞の劇団シラカン「永遠とわ」の皆さん

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東京学生演劇祭2016は、劇団リトルスクエア(上智大学)、なべ☆ほし企画(立教大学)、亜人間都市(早稲田大学)、くらやみのいろ(多摩美術大学)、晩餐ヒロックス(日本大学)、劇団しょっきんぐパズル(インカレ)、 the pillow talk(早稲田大学)、水道代払いたい(東京工芸大学)、シラカン(多摩美術大学)の全9団体が参加して行われました。

審査員は観客発信メディアWLの友田健太郎さん、鳥公園 主宰・作演出 西尾佳織さんのお二人が務められていました。

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審査員の友田健太郎さん西尾佳織さんのお二人の講評がとても素晴しいと思ったので、まとめておきたいと思います。

劇団リトルスクエア「様子の展開劇場」西尾佳織さん講評(グループA)

まず、最初に思った感触は、学生の方が創ったんだなと思った。社会に出た事がない人が思い描く社会人。ポリフォニーがやりたいんだなと思った。多声音楽ということですが、声が多い音楽。シンフォニーではなく、沢山声があって時間が同時に進んで行く感じ。そういう事なのかしたと思ってみていました。ただ、どの人にもあまり興味が持てなかった。いろんな人の会話が進んでいるなといって、遠くなってしまって、それは、社会に出た事が無い人がつくったということと繋がっているのですけど、、会話の中身に興味が持てなくて、あっ、これはメッセージとかじゃなくて、形式がやりたいのかなと思ったんですけど、だとしたら、やり方とやりたいことの相性が悪いのではないかなと思ってみていて、想像なんですけど、ちょっとインプロでやっている部分があるじゃ無いかと思ったのですが、ポリフォニーという単語で思っていたかどうかは分からないですが、ポリフォニーだとしたらとても構築性が必要な事だと思うんですよね。それと、その場その場で構成するということの、相性がどうなんだろうなあと思いながらみていました。しばらく。沢山の声があったところからの、みんなが去って急に静かになるという体感は面白かったんですよね。ただ、観客の身体がそういう状態になったところに、聞かせたいことはなんだったのかは、わからなくて、メッセージとかではないのかなと思っていたんですけど、これは言葉を聞いてしまうなあと思って、で、ただここに入ってきた言葉というのが、印象にのこったのが、上司が「会社なめるな」か「社会なめるな」だと言ったと思うのですが、それが、戯曲のポテンシャルとしてはあるなと思ったんですね。ぺらぺらの社会人みたいなことをやっていて、その上司がお前が一番なめているよということをやってのけて、そういう事を言うというのが、なにか批評性なのかなとおもったのですけど、あえてのぺらぺらの人物造形とか、あえての会話の薄さみたいなことには見えなくて、どこに一番やりたい事のポイントがあったのかなといことが掴みきれずでした。後思ったのが、なんだろうな、ばーんと殴ったりして笑いが起こったのですけど、それが本当に笑いとして機能するにはもっと徹底してやらないとちょっとね危ないと思った。確かに笑えそうだったのですけど、もっと本当に突き放して、対象化して、あえてのペラペラという風に見えないと、ストレートなメッセージになりかねないなという気持もして、戸惑ったまま観たという印象でした。以上です。

 

なべ☆ほし企画「片付け(仮)」友田健太郎さん講評(グループA)

非常に楽しく観られるという利点がありまして、キャラクターへの共感性が高い。観ていて面白い。ものと通じ合う完成がある女性。ちょっと偏った極端な性格の二人が出会ってどうなるのか。そういう事だと思います。全体としては、そういう風に楽しく観られるのですが、突き詰めが足りないというか、細かい所の整合性はどこまで取るかというのはありますが、別に全部整合性が取れていればいいというのはないですよね。1ヶ月食べていない人が、元気に二人で外に食べに行くかというのは、ちょっと、何でそうなるのという感じはありますし、そういうところ、あえて、現実とかリアリズムを踏まえないなら踏まえないなりの距離の取り方があったりしますね。それぞれの、引きこもりであったり、モノと話をするキャラクターに関しても、ちょっと表面的というあれなのですが、考え抜いて創っている感じでもない。表面的なメンで面白い劇として成立させることもできるんだけれども、そちらの方向としてか考えても徹してはないという感じ。厳しい言い方になりますが、ちょっと中途半端な感じの印象が残ってしまったかなと思いました。以上です。

 

亜人間都市「神(ではない)の子(ではない)」西尾佳織さん講評(グループA)

 なんか、興味を持ちました。始まった時に、これは強い形が、方法があるっぽいと思って、緊張感があるなあと見始めて、ただ既視感もあるんですけど、いくつか、なんか知っている感じのやつが浮かぶわーと思って見始めたんですが、既視感のある身体の使い方が、扱っているテーマと必然性もあるように思えてきた。それは、私が感じた扱われている事柄が、「他社と繋がる」とか「理解しようとしてもしきれない」とか「共感する」という事なのかなと思って、それに対して、不可能な部分を扱っているのかなと思ったんですね。ああやって、言葉が文節化されていることとか、体との繋がりが一致していることが信じられなくなっているというやり方は、意味がある気がするとおもったんですけど、ただ、それは、頭で考えている部分もある、そのように読み取ることもできるという部分も大きかったのですけど、説得力があると思ったのは、レズビアンの妊娠したという子の元彼女の女優さんも身体性は、頭で考えてどうというより、説得力がある気がすると思った所が、私は魅力的に感じました。5人の俳優さんのばらつきがあるとおもって、どこが演出家が目指した、みんなで探してた到達点なのか、それぞれの人が達成している度合いがバラバラにみえるとおもったんですけど、個人で元から能力があって何かができるということにはそんなに興味を持たなくて、演劇って集団でつくって、分からないけど、こういうことを掴みたいと言って、それがぞの座組の中、俳優と演出家の関係の中で、新しいことが掴まれるというのは面白いと思っていて、それが芽生えかけているのではないかという興味の持ち方をした。構成が美味いなと思いました。でも構成が見えると思って、私は神ですといって作家みたいな人が出てきたところで、幼さを感じたんですよね。創っている人が神みたいなことって、途中で出てきた、キリスト教系の新興宗教系と絡んでいるのは面白いのですが、ちょっとその神ですといっているひとの語りが長くて、飽きてしまって、作家の欲を感じてしまって、ちょっと長い。演出家が上演として効果が出現しているかということをふまえて、もうっちょっときってもいい。小道具が効果的だったのかもあって、作家が分かりやすくカチっとその場でやることの魅せたさを感じたのですが、そんなに効果的ではなかった気がする思いました。いったいこれは、わかりあえるとか、あえないとか、身体性を絡めたことの落ち着きどころが見つかったんだろうということに興味をもっていたのですが、最後ヒューマニズムみたいになって、あっそうなんだとおもった。でも興味をもったんですよね。メンバーがどれくらい継続性のある集団なのかは分からないですが、何かを探しているのだろうなあと思った。又観てみたいと思いました。以上です。

 

くらやみのいろ「胎児の夢」友田健太郎さん講評(グループB)

 ダンスとして洗練されていまして、美しさを感じさせる作品ですよね。生きる、セックス、生まれる、自由とは何か、妊娠、そういう割と作り手の方が気にかかっているであろうテーマを盛り込んでいるもになっています。その場合、ひねり、工夫がないと、そういう事に関して、みんなが共通に持っている、みんなが共通でもっているある種のイメージみたいなものがあって、そこに、精緻に作品作りをやって行けば行く程、よって行くみたいなことがあるんですよね。何となくどこかでみたような感じがして、出てきてしまいます。そこがとても難しい所だったと思います。40分作品が会ったと思いますが、風穴みたいなものがあったらいいなあと思って観ていました。ちょっとみっちりした感じになってしまうんだけれども、手がかり、とっかかりが、分からなくて、作り手の人が一生懸命やればやるほど、そういう落とし穴がありがちだと思うんですよね。ですから、あの40分の中に、いろいろと要素を組み合せてこういう風に展開して、狙いがあって、というところが非常に沢山あると思うんですよね。だんだん緻密になっていくのですが、それが逆に見る方からすると、だんだん汲み取れなくなってしまって、離れてしまうという部分があると思うんですよ。どんな作品にも起こりがちだと思うのですが、この作品では、ダンス的な作品だったので、そういう距離はだいぶ広がっていると思って観ていました。

 

晩餐ヒロックス「​19年、或いは20年前。」西尾佳織さん講評(グループB)

凄く上手いなあと思って、その分、この講評ができる事になってよかったとおもっているのですが、問題だなあと思っていて、自分がひねくれているからかもしれないですけど、現実の世界でよしとされる価値観と同じことが上手に現れているなと思って、ちょっと苦しかったんです。感動するのであろう、いろいろな人が、みたいな気持ちで観ていて、うまいうまいというのは、言葉遊びとかも、面白いとおもったんです。「言う、聞く」確かにとか。俳優さんもみんな演技がうまいなあとか、音が入るタイミングとか、凄いスマートだと思った。いい人たちなんだろう、作っている人たちが。2回目は精子があまり出ないとチラシに書いてありますが、普段の下世話な感じのほうが、人間的に感じるというか、なんか、創っている人の顔があまり見えないと思った。19歳、20歳くらいの方が多いと思ったのですけど、それにしては、優等生。顔が見えないという感じがしたんですよね。後気になっていたのは、私は生物学の知識があまりないのですが、劣勢という言葉
がでてきていて、優勢遺伝、劣性遺伝はしっているのですが、それと精子の劣勢ってあるんだっけと、精子が受精してどれ加賀残るまでの戦いと、優れていること劣っていることってそれって事実なのと思って、競争にはなっていると思うんですよね。たくさんでて、ほとんどは受精しない。するとしても、1つということ。生れられなくてごめんなさい。そういうメッセージではなかったと思うのですけど、観ていて、何となく結びついたのは、「劣っている」「外に出られない」それが、その生き物としての競争とは別に、なにか劣勢という単語がでてきていて、私の中に呼び起こしたイメージは生き物の強さではなくて、人間が勝手に決める価値みたいな。この前の津久井やまゆり園のことを思い出していたんですけれども、なにか、本当はそんな意図は無いと思うのですけど、そういうことを思い出していたんですね。なにか、そこで掲示されていことというのが、現実社会の良い悪いとか、何が感動する、何が排除されるか、ということと、同じ並び順のように感じて、のれないまま時間が過ぎてしまって、みんな一致団結してこそのクオリティーなんだなっていうことがもの凄い良くわかったんで、そんなことを感じたんですよということを話たいなとおもった。どうですかね、どんな事を考えながら創っていたのかを質問したいと思っていて、このあと、創った方々とお話したいと思っています。

しょっきんぐパズル「かじつノヨウナモノ」友田健太郎さん講評(グループB)

これは一言でいうと、とても好きでした。ただ、急いで申し上げておかなければいけないのは、まだまだまだまだ改善の余地のある作品で、演技にしても、これは演技なのか演出なのか分かりませんが、観客の方を真っ正面向いて独白するとか、それはないかもしれないなとおもったり、いろいろですね、演技もあまりうまくないなというところもあった。音楽の使い方も、とても良く使われている音楽なので、これをメインにもってくるのはかっこよくはない。それでも何か、観ていて、ともかくこれは本当に伝えたい切実な想いがあって伝えている作品だと思いました。それで全部帳消しになってしまうそういうことがありました。要するに、こう言う友達がいたらいいなあという事だと思いますけれども、それが非常に切実につたわってきたんですよね。作品全体としても、日常に違和感を持って行きている人たちなんだろうなということ、細かいところでつたわってきましたけどもね。東くんの空笑いのシーン。最初の女性とのかけあいの部分に不思議な間があったり、そういうことも含めて、全体に共感していい作品だな、いいものを魅せてもらったなあと思った作品でした。

 

the pillow talk「腰抜けは道徳と遊んでろ」西尾佳織さん講評(グループC)

結構素直に楽しんでみていて、「腰抜けは道徳と遊んでろ」というタイトルをつけるっていいなあと思いました。やりたいことがある。意見が自分と合わなくても、そういう人なんだ、こういうことを大事だと思っている人が入ると思うと、オーーッオ網んですけど、タバコをあれだけ吸ってやりたかったんだなあと、何でも過剰に自主規制するのは嫌だなと思っているので、私はタバコをすわないのですけど、そういうのはいいなあと思っています。作品の物語として鑑賞するだけではなくて、演劇ってもっと深い関わり方ができるのですが、そういうアプローチを感じました。正直お客さんが出られる設計じゃないよなと、出たい人が出られないと上手い事いってないのではないかなと思った。狂言まわしの四男の人がいましたけど、もっと出入りしてほしかった。外でナレーターなんでという時と、たまに中に入るじゃないですか、あれが、例えば、外にいる人の体だと、触れても触れられた人は無い事にするというフィクションをつくっている。で、ふっと入ると「おい、お前」という感じで話すという二重のフィクションを行き来するみたいなことが面白い可能性を感じた。わりと外に出ているという構造がとられている。そこが、そういう本てことなのか、演出でどうとでもできるけど、なんか、もうちょっと観たかったなあ、そのあわいの感じをと思いました。ラップが入ってくるめちゃくちゃな感じも、とにかく、そういう風にしたいんだなあと言う感じがして、やっている人たちのエネルギーっていいな、本も上手いなと思いました。そんな感じでした。

 

水道代払いたい「せかいのはじめ」友田健太郎さん講評(グループC)

舞台に出る人はみんな大変な勇気があると私は思っています。この作品は特にその勇気を感じました。一人芝居であること、40分ノンストップで自分が何かしないと進まないというのはホント怖いですよね。いろいろな意味で負荷がかかるような仕組みが盛りだくさんになっていて、まあ、3−4人の役をつぎつぎにやらなくてはいけなかったり、友達と話をしているシーンから急に自分は本番真っ最中だと言うとか、切り替えとか考えても、これは本当に冒険というか、よくやったなあという感じがありました。世界制服のくだりで、ハッとさせられる発見があったりとか、楽しくいい作品だと思ってみせていただきました。

 

​シラカン「永遠とわ」西尾佳織さん講評(グループC)

 面白かったですねえ。たぶん、一番、ただお客さんとして面白く観たという感じで、それは自分で選んでやることではなくて、そういう状態になってみられたということなんですけど、センスがいい、面白かったです。ちゃんと世界があるなあと思って、私だいたい、学生がどうとかではなくて、小劇場で私やっているのですけど、作演出家がちょっとセンスがいいとか、上手な俳優さんが集っていて、そのセンスを上手に体現できるという感じなんだなと思うことが、お客さんで言った時に思うことが多いのですよ、でも、凄い集団性を感じて、れんこちゃんだったかな、聞こえるか聞こえないかみたいな人がいたんですけど、あの人は普段どうなのかなと思って、元々ああいう声の人を演出家が絶妙な感じで配役したのか、あるいは、演出家が望んでいることを俳優が絶妙な感じで掴んでやっているのか、どっちか分からないけど、ていうようなことを感じていて、取り出しやすかったから言っているのですが、いろいろなところにそういう関係を感じたことがいいなあと思いました。なんか、亜人間都市さんの時に言っていた、その、演出家がやりたいことと俳優がやりたいことの間に生まれていることに私は興奮すると同じで、集団で創っている意味が、だからことできるモノという感じがするなあと思って、衣装とか美術もいいなあと思って、衣装が本当に笑けるなあという感じだったんですけど、ぴちぴちの切ってあるズボンとか何あれと思って、なんかいろいろ、面白かったですね。分かってやっている。おとなっぽいなあと。持ち味がそのままでているんだなあという団体さんが多かったのですが、​シラカンは凄く構築されている感じがして、どのくらい意識的なのかは分からないのですが、面白いなあと思いました。題名は「えいえんとは」と読みます。

 

 

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東京学生演劇祭2016各賞は以下の通りです。

個人賞(WL友田健太郎さんより)
水道代払いたい「せかいのはじめ」

個人賞(鳥公園主宰西尾佳織さんより)
ラカン「永遠とわ」

観客賞
晩餐ヒロックス「19年、或いは20年前。」

審査員特別賞
the pillow talk「腰抜けは道徳と遊んでろ」

東京学生演劇祭2016大賞
ラカン「永遠とわ」

委員会賞第1位
ラカン「永遠とわ」

委員会賞第2位
the pillow talk「腰抜けは道徳と遊んでろ」

委員会賞第3位
晩餐ヒロックス「19年、或いは20年前。」

でした。

おめでとうございます。閉会式の写真をアップしていきます。

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ラカン「永遠とわ」
東京学生演劇祭2016大賞/個人賞(鳥公園主宰西尾佳織さんより)/委員会賞第1位

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the pillow talk「腰抜けは道徳と遊んでろ」
審査員特別賞/委員会賞第2位f:id:kojisato515:20160904212757j:plain

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晩餐ヒロックス「19年、或いは20年前。」
観客賞/委員会賞第3位f:id:kojisato515:20160904213036j:plain

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水道代払いたい「せかいのはじめ」
個人賞(WL友田健太郎さんより)f:id:kojisato515:20160904212214j:plain

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これまでの学生演劇祭は、
2016/6 札幌学生対校演劇祭 HP /  TW
2016/8 福岡学生演劇祭 HP /  TW
2016/8 京都学生演劇祭 HP /  TW
2016/8 東京学生演劇祭 HP /  TW
でした。

これからの学生演劇祭は、
2016/9 とうほく学生演劇祭 HP /  TW
2016/9 名古屋学生演劇祭 HP /  TW
2016/9 大阪短編学生演劇祭 HP /  TW
2016/10 中国地方学生演劇祭 HP /  TW
2017/1 愛媛学生演劇祭ORANGE HP /  TW
と続いて行きます。

そして、2017年2月24日〜27日にロームシアター京都 ノースホールにて第2回全国学生演劇祭(HP / TW )に繋がって行きます。各地の学生演劇祭から勝ち上がった団体が出場する全国規模のフェスティバルでは、大賞を取ったシラカンがどんな作品をやるのか今から楽しみです。

 


【芝居】東京学生演劇祭2016 参加9作品 9月2日11時A/15時B/9月3日11時C

東京学生演劇祭は2015年に誕生

東京学生演劇祭は、沢大洋さん @taiyo_sawa(京都学生演劇祭プロデューサー)を発起人として2015年に誕生しました。東京各地の大学の学生同士が演劇を通じて共同する場を設けることで、東京・関東の学生演劇の交流と発展を目的に開催されています。

東京学生演劇祭2016の参加団体は、劇団リトルスクエア(上智大学)、なべ☆ほし企画(立教大学)、亜人間都市(早稲田大学)、くらやみのいろ(多摩美術大学)、晩餐ヒロックス(日本大学)、劇団しょっきんぐパズル(インカレ)、 the pillow talk(早稲田大学)、水道代払いたい(東京工芸大学)、シラカン(多摩美術大学)の全9団体です。

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そして、全国各地で演劇祭が開催されていて、それぞれの優秀団体は全国学生演劇祭への出場権が与えられます。壮大なプロジェクトです。

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全国各地の学生演劇祭

2016/6 札幌学生対校演劇祭 HP /  TW

2016/8 福岡学生演劇祭 HP /  TW

2016/8 京都学生演劇祭 HP /  TW

2016/8 東京学生演劇祭 HP /  TW

2016/9 とうほく学生演劇祭 HP /  TW

2016/9 名古屋学生演劇祭 HP /  TW

2016/9 大阪短編学生演劇祭 HP /  TW

2016/10 中国地方学生演劇祭 HP /  TW

2017/1 愛媛学生演劇祭ORANGE HP /  TW

そして、2017年2月24日〜27日にロームシアター京都 ノースホールにて第2回全国学生演劇祭が開催されます。各地の学生演劇祭から勝ち上がった団体が出場する全国規模のフェスティバルです。

国学生演劇祭 HP / TW

このような全国規模の演劇フェスティバルが花まる学習会王子小劇場で開催されていることが嬉しいです。ありがとうございます。若い才能が集い刺激を与え合う場っていいなあ。審査員は観客発信メディアWL友田健太郎さん ( @theatrum_WL )、鳥公園 主宰・作演出 西尾佳織さん ( @torikouen ) です。

大賞を受賞した団体は全国学生演劇祭の出場権が与えられます。大賞の計算方法は(審査員平均点×1.3)×10+(観客平均点)×10+(3ブロック通し券入場者得点)ー(減点)の最高得点団体を大賞に選出。要は、審査員と観客の投票によって決まるということですね。さらに、観客賞、審査員特別賞、個人賞があります。どんな結果になるのか、気になっています。

参加劇団は全部で9団体でした。

==A==
▼劇団リトルスクエア「様子の展開劇場」HP / TW
劇団紹介:1981年創立の学生演劇団体です。年に複数回公演を打っています。本当に色々とやっているので逆にこれといった特色はありません。現在の所属人数はだいたい50人ぐらいです。全員良い人です。​

作品紹介:​ある会社の給湯室で談笑する人々。この様子はどのように展開するのか!?それともしないのか!?展開した場合、状況は果たして収束するのか!?もしくはしないのか!?上智大学がお送りするその一連の様子に乞うご期待!!

▼なべ☆ほし企画「片付け(仮)」HP / TW
劇団紹介:結成2年目の2人組劇団。ジャンルは色々、少し変わった雰囲気の作品を作っています。今回は明るく楽しい作品に挑戦です。

作品紹介:几帳面な家主と部屋を散らかす居候のお話。

亜人間都市「神(ではない)の子(ではない)」HP / TW

劇団紹介:早稲田大学の演劇サークルより発足。ジエン社、DULL-COLORED POPなどの現場で演出を学んだ黒木洋平が主宰を務める。劇的構造に囚われた現実を、構造の解体によって想像力の中に取り戻し、これからの世界を生きてゆくための作品制作を目指す。​

作品紹介:一組のカップルのもとに訪れた奇跡と、その周囲の人々が織り成す喜劇は、中心の不在を通じて〈神〉へと接続する--。当作品は〈他者への旅路〉二部作の第一部として〈他者〉との関わりを描くと同時に、亜人間都市の旗揚げ公演として一つの方向性を示します。

==B==

▼くらやみのいろ「胎児の夢」HP / TW

劇団紹介:多摩美術大学三年寺澤亜彩加が、2015年に結成。同年7月「くらやみのいろ」にて、旗揚げ。今回が3回目の公演となる。

作品紹介:サ/ク

▼晩餐ヒロックス「​19年、或いは20年前。」HP / TW
劇団紹介:日本大学芸術学部演劇学科演出コース4年の渡部寛隆が2015年11月に結成した個人ユニット。その都度、主宰が直接オファーしたキャストと「場所」や「現在」に重きを置いて作品を創り続ける。人生のテーマは伝統と信念。

作品紹介:せいしの話。今日も、どこかできっとこんな物語があるから、信じて生まれてくる。

▼しょっきんぐパズル「かじつノヨウナモノ」HP / TW
​劇団紹介:劇団しょっきんぐパズルは、高校演劇部のメンバーが再集結し2015年に結成を果たした演劇団体です。今年3月には、スタジオトルク様にて旗揚げ公演を行いました。現在、東京から新潟まで様々な大学の劇団員が所属しています。

​作品紹介:現代版、アダムとイブ、のようなもの。

==C==

▼the pillow talk「腰抜けは道徳と遊んでろ」HP / TW
​劇団紹介:2015年3月、早稲田大学演劇倶楽部の役者・西村優駿、劇作演出・むつみあきが起ち上げた演劇ユニット。同年7月に役者・伊與田成美が加入し、活動が加速。軽薄で過剰な会話を通して、瑣末な日常に壮大な疑問を!

作品紹介:おそるべしや、道徳教育。

▼水道代払いたい「せかいのはじめ」HP / TW
劇団紹介:東京工芸大学に在学する上玉利と杉原によるユニット。東京と香川という離れた地の高校で演劇をしていた2人が大学で出会い、演劇サークルには入らずユニットを結成し、東京学生演劇祭への参加を決める。演劇祭では上玉利による一人芝居を上演予定。

作品紹介:この劇場は1998年7月にオープンしたそうです。私は1997年9月に生まれました。この演劇祭は2015年9月に始まったそうです。……いつか終わりは来るのかな。私はこの劇場で、この演劇祭で、演劇をする。わたしはそうして生まれて、そうして死ぬ。せかいのはじめ。

▼​シラカン「永遠とわ」HP / TW
劇団紹介:多摩美術大学演劇舞踊デザイン学科2期生を中心に結成。西、芳野が共に作・演出を担当し、多ジャンルの表現を試みながらアンチカテゴライズを唱え、東京五輪以後を見据えた活動を行う。

​作品紹介:3人の男女が出る会話劇です。

佐藤孝治の観劇感想です。

 ==A==

▼劇団リトルスクエア「様子の展開劇場」
会社の休憩室での何気ない時間。確かに、あんな感じですね。いくつかの会話が同時に進行していくと、リアルな感じはするのだけど、話を追うのは大変でした。リアル感を出すために、狙いで少しの時間、役者が同時にセリフをしゃべる展開になる舞台は見た事がありますが、ずっと同時進行で続くのは、珍しいですね。最初から最後まで、普通というか、自然でした。もっと凄い何かが起こるのかなと思っていたのですが、普通でした。ピーポくんのくだりが好きです。

▼なべ☆ほし企画「片付け(仮)」
引きこもりと家で少女の生活。几帳面にこだわっている引きこもりとメルヘンな少女が衝突する。元気いっぱいの大きな声で大きなリアクションで展開して行く。効果音、照明を駆使して盛り上げる。不思議な世界観なんだけど、妙に惹き込まれました。二人芝居でこれだけ魅せることができるのは凄いと思いました。役者のパワーがないと二人芝居はなかなか難しいので、凄いなあと思って観ていました。

亜人間都市「神(ではない)の子(ではない)」
不思議な踊りをしながら、不思議なしゃべり方で物語が展開して行くお芝居。不思議な世界観を表現する方法として、こう言うやり方があるんだなあと思いながら見ていました。途中からタフなお芝居だと思いました。役者さんを見ていると、不思議な踊りをずっと続けているのは辛そうでした。10分くらい経って、なるほどこれは最後までずっとこの感じでやり切るのかと思ってからは、何となく、お坊さんの念仏を聴いているような感覚になっていきました。演劇において作家は神であるということを、あやめ十八番 の「雑種 花月夜」を見た時に感じたのですが、今回も思いました。

 

==B==

▼くらやみのいろ「胎児の夢」
肉体で表現する芸術を見ている感じでした。真っ暗闇の中で、何かをしている。床のきしむ音、衣装がこすれる音が聞こえてきて、だんだん目が暗闇に慣れてきたけど、よく見えない。もしかして、照明トラブルで光をつけたいけど、つけられない状態なんじゃないかとドキドキしました。かなり長い間暗闇の中で、過ごしていたので、いろいろと考えてしまいました。照明が両サイドから点滅をして、ホッとしました。いままで見た事のないタイプの演劇でした。「胎児の夢」というタイトルから、いろいろとこういうことかなと想像しながら、見ていました。小さな声でセリフをいう演出なのかもしれませんが、もう少し声を大きく発生して欲しかったです。

▼晩餐ヒロックス「​19年、或いは20年前。」
面白かったです。Bブロックはたまたま似たテーマのお話でした。せいしのお話でした。渡部寛隆さんが10代の終わりくらいから書きたいと思っていて、20歳の時に書いた作品だそうです。役者さんがみんな元気で、楽しく観劇させていただきました。脚本も演出もしっかりしていて、安心して観ることができました。「あいうえお、かきくけこ、さしすせそ、たちつてと」には輪廻転生の意味が込められているというお話が面白かった。

▼しょっきんぐパズル「かじつノヨウナモノ」
カフェで男子二人がお話している。シンプルなセットだけど、リアルなカフェを感じた。男子二人のキャラクターがそれぞれ濃くて、ジワジワと面白い。定員との何気ないやり取りがジワジワとおかしい。街ですれ違った、女性に恋をした話をしていたら、定員と友人だった。不思議なご縁で、4人で合コン的な場になる。恋をした相手が女装した男。その状態がいろいろと、ジワジワと可笑しい。じわじわと可笑しい演劇でした。

==C==
▼the pillow talk「腰抜けは道徳と遊んでろ」

5人の男兄弟が家庭の喫煙場所で話をしている。前半、四男の悟の説明セリフが沢山あって、随分、説明するお芝居だと思いました。しかし、配布された人物相関図を観ると、説明しないと分からないかもしれないと思いました。話が盛り上がってくると、説明はなくなり、面白くなっていきました。冗談かどうかをちゃんと見極めることができないと危ないですね。一体全体これからどうすればいいんだというところで、物語は終わります。どうするんだろうなあという気持ちが大きくなりました。

▼水道代払いたい「せかいのはじめ」
女の子の一人芝居。「はじめますー」と言って、カウントダウンされて、お芝居が始まるということが、何回も繰り返されます。私はいつから私なのか。私が終わっても、世界は続いて行く。王子小劇場は1998年7月にオープンしました。主演の上玉利明音さんが「私は1997年9月2日に生まれました」と言ったのを聴き、この王子小劇場で沢山の役者さんがいろいろな物語を紡ぎだしてきたんだなあということを感じて、これからも演劇がはじまって、演劇が終わるんだなあと思いました。しみじみしました。

▼​シラカン「永遠とわ」
3人の男女が出る会話劇。男は女のことが好きだけど、女は光る机が好き。女のお友達は男の事が好き。男のセリフが空回りしていて面白い。男のことが好きな女のお友達の女が、取り乱してぐるぐる回る動きや、興奮して後ろに倒れて、ヨガのポーズみたいな状態で文句を言いまくるなど、面白すぎる。会話の面白さで惹付けられて行くと、後半は、観客の想像を超えた世界になって行く。「えっ?えっ?えっ?」と脳内が反応しているのが自分で分かりました。今後どんなお芝居が生まれてくるのかワクワクします。

 

 

 

【芝居】「未開の議場 〜北区民版〜」北区民と演劇を作るプロジェクト [Bチーム]2016年9月1日(木)

「未開の議場 〜北区民版〜」北区民と演劇を作るプロジェクト [Bチーム]2016年9月1日(木)を観てきました。同じ脚本でもキャストが変わると、お芝居って変わるんですね。2回目観ると「なるほど、確かにやっている」とか、1回目とは違った視点で面白く観る事ができました。

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しかし、このお芝居は、なんともお腹が空くなあ。あの料理は結局誰が食べるのだろう。北川くんが食べるのかな。あの香りは、きっと美味いはず。

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Aチームを観た人は半券を持って行くと、セット割りで1800円になります。Bチームを観た人が半券をもってもう一度Bチームを観ると、リピート割で1500円になります。3回目観にきたら、鍋を食べられる特典とかあったらいいかも。笑。

2回見ると、いろいろと気がつきます。壁の張り紙もいろいろ凝ってますねえ。

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「いいお芝居でした」とメッセージをお送りさせて頂いた越野充博さんのご感想が嬉しいです。越野さんありがとうございました。a

観劇後、名刺交換をさせて頂いた国際交流基金アジアセンターの方から「王子は演劇の街ですね」と言われました。とても嬉しく感じました。確かに王子は演劇の街です。ありがとうございます。王子が演劇の街ということが分かる写真を撮ってみました。

 北とぴあの1階にはどーんと「HOKUTOPIA演劇祭」の幕

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北区・演技塾が北とぴあで開催されていました

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きたく子ども劇場さんの入口もいろいろと賑やかです

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花まる学習会王子小劇場では東京学生演劇祭開催中です

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【芝居】「サマーバケーション」Dr.MaDBOY「最後の楽園」×劇団晴天「たいふうとおまつり」赤羽十色庵 8/28(日) 14:00

【芝居】「サマーバケーション」Dr.MaDBOY「最後の楽園」×劇団晴天「たいふうとおまつり」8/28(日) 14:00の昼の部@赤羽十色庵に行ってきました。「サマーバケーション」というタイトル通り、ラムネ・ビール・フランクフルト、焼きそば、餃子等がカフェスペースで販売されていました。お祭り気分で演劇を見ました。(午前中和太鼓の稽古をして、赤羽十色庵に来て、観劇後、赤羽小学校へ行き和太鼓を叩くので、お祭り気分マックスでした。)

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Dr.MaDBOYは「最後の楽園」作・演出 毛利郁弥、劇団晴天は「たいふうとおまつり」作・演出 大石晟雄というそれぞれ40分の作品の2本だてでした。

噂の焼きそばの舞はありませんでしたが、焼きそば無しの「守利郁弥の舞」を一瞬見ることができました。

そもそも、会場の十色庵がサービス精神旺盛です。そこに、Dr.MaDBOY×劇団晴天のサービス精神旺盛が加えられて、というよりも掛け合わされて、とても居心地のいい空間になっていました。

例えば、さりげなく始まってさりげなく終わる、守利郁弥×大石晟雄の休憩時間トークがありました。これは、一つの漫才のジャンルになるのではないかと個人的に思っています。守利くんのボケに、的確にツッコミを入れて行く大石くん。ツッコミつつボケて自分にツッコミを入れる大石くん。そんな展開が繰り広げられました。この二人の漫才(みたいな会話)を22分間の長まわしで楽しむことができる映画が「Retro fiction landscape」です。以下の映像の22秒のところから予告編が見れます。

www.youtube.com

 

それでは、観劇の感想を書きます。

「最後の楽園」作・演出 守利郁弥(Dr.MadBOY)

ちょっと前に、守利くんがTwitterで稽古を見学する人いませんか?と呼びかけをしていました。どんな稽古をしているのか興味が湧いたので、稽古見学に行ってみました。そのために、稽古をしていたシーンがどうなっているのか気になりながら観に行きました。守利くんが演出をしている様子を見て、一つ一つ丁寧に演出して行くんだなあと思いました。最終的な形を見ると、いろいろとこだわって演出をしていたものが、シンプルなものになっていました。演劇を創って行くプロセスも含めて演劇を楽しむことができて良かったです。前売り券を買った人に稽古来てみませんかとお誘いしたら、行ってみたい人結構いるのではないかなと思いました。

行きたい所をプレゼンテーションするシーンでは、十色庵が、メキシコになったり、パリになったりしました。落語を聞いていて目の前に映像が広がって行くことがありますが、メキシコの旅の時間の経過のシーンとパリの生活の表現のくだりは、そんな感覚になりました。好きだなあ。

ラストがどうあるべきなのか。ここは議論があるところかと思いますが、別のエンディングもあるかなあと思いました。じゃあ、どんなラストがいいのかと言われると、悩ましいのですが、お兄さんと最後の楽園で会えたらいいなあって思って見てました。演劇において脚本家は神ですね。でも神様もいろいろと悩むんだろうなあと思いました。あと、謎の存在が登場して、あれは一体なんだと悩んでましたが、アフタートークで解決して、今夜はスッキリ眠れそうです。

「たいふうとおまつり」 作・演出 大石晟雄(劇団晴天)
私がこれまで拝見した作・演出 大石晟雄作品の「聞こえるように話すなよ」(6/14)「さくら」(7/15)は、登場人物が沢山いて、いろんな伏線が絡み合って展開していくスピード感のある演劇でした。また、役者大石晟雄が沢山舞台にいるような感覚になるくらい、だじゃれとかギャグがあったように記憶しています。それが、大石ワールドだと思っていました。

今回の「たいふうとおまつり」(8/28)は、ゆっくりとしたペースのお芝居で、だじゃれとかギャグの応酬という感じではなく、少ない登場人物でシンプルなお話でした。今日も大石ワールドが展開されるのかなと思いつつ、チラシに「だいすけは宇宙人だ。」と書いてあったので、宇宙人の話だと思って見始めたら、お化けのお話でした。

見ていて思ったことを書いておきます。大介役の荒木広輔さんの死んでいる人感が凄かったです。優一役の吉牟田大幹さんとれい役の平井隆也さんの「どっちが太っているかな」が一発目のツボでした。間合いと表情がすごかった。悟役の大川健斗さんを見ていて特攻隊に居そうだなと思いながら見ていたのですが「永遠の空〜知覧特攻早春賦〜」に出演されていてびっくりしました。それから、吉牟田大幹さんと「最後の楽園」の稽古見学の後にサイゼリアでご飯をご一緒した時に、パスタとほうれん草を別々に頼んで混ぜ合わせて独自のメニューを創って食べていました。その時、料理がとても上手な人だなあと思ったのですが、今回の餃子を作る様子を見て、料理の達人であることを確信しました。演劇で実際に餃子を作って食べるという演出ができるたのは十色庵だからなんでしょうね。

大石くん自身と大石くんの作品が変化して行くタイミングの作品だったのではないかと感じました。今日のパンフレットには劇団晴天11月末に公演と書いてありました。どんな公演になるのかとても楽しみです。

守利郁弥と大石晟雄がこれからそれぞれに何を生み出して行くのか。相互にどんな化学反応を起こすのか。とても気になります。今後の活躍を楽しみにしています。

 

アフタートークもありました。

アフタートークのゲストは時間堂の黒澤世莉さんと大森晴香さんでした。舞台を見た黒澤世莉さんの感想はやはりプロだと思いました。僕はアフタートーク好きですね。時間堂も柿喰う客もアフタートークが充実していますが、そのお芝居がぐっと深まりますし、距離が縮まりますね。

年末で解散する時間堂の黒澤世莉さんに「演劇を続けて行きたいのですが、どうすればいいですか?」と守利くんが質問するアフタートーク。深かったです。「なぜ7年間続けることができたのか」「劇団を一緒にやる仲間の見つけ方」というテーマでのお話は15分では足りないですね。メモをとってないのですが、印象の残ったキーワードを紹介します。

  • 大事なのはパッションだよ。パッションがあれば続く
  • 自分が「やめる」と言わなかったから続いたんだよ
  • 「何でも言える風通しの良い劇団」かつ「自分がやめさせたい人をすぐ辞めさせることができる劇団」を創りたいけど、はい、矛盾しています
  • いいなあと思った役者さんがいたらすぐに声を掛けないと、すぐに他の劇団に履いてしまうよ
  • お芝居観た後に言いなと思う人がいたら、ロビーで「僕のお芝居に出てください」とお願いしていたよ
  • 駆け出しの頃、オファーをして何度も断られた。「もう、オファーなんかしない」って何度も思った
  • しばらくは、一人劇団でもいいんじゃないか
  • いやっ、気楽に仲間集めてやってみてもいいんじゃないか

黒澤世莉さんの演劇ワークショップに守利郁弥くんと大石晟雄くんが参加したところからご縁が始まり、王子小劇場(当時)で公演をして、その後、花まる学習会王子小劇場のスタッフになり、そして、赤羽十色庵で二人が公演をしている。先輩から後輩へ演劇の智慧が伝わって行くところを見せてもらいました。

アフタートーク中に黒澤世莉さんから「ここからは、スマフォとかカメラで写真撮ってもらってSNSで発信してください」との宣言があって、皆さん写真撮りながらアフタートークを聞いていました。

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そして、花まる学習会王子小劇場の中高生演劇サマースクール2016に参加をしていた高校3年生のじゅんじゅんが来てくれていました。こうやって、演劇が伝わって行くんですね。

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『Dr.MaDBOYと劇団晴天のサマーバケーション』2016/8/23(火)-28(日)@十色庵(東京都北区 赤羽)の公演情報

昨年の佐藤佐吉賞に誰もカバーしてないところから現れたDr.MaDBOYと劇団晴天が犬猿のコラボ!男だけの夏祭りをしよう!と始まったたこの企画、45分×45分の短編2本と毎回のアフターイベントを引っさげ、赤羽は十色庵にて夏祭ります!真逆な作風の2チーム、きっと好みのオトコがいるはず。ラムネや屋台っぽい食べ物を片手に、夏の終わりをともに過ごしませんか?

○おしながき

守利郁弥(Dr.MadBOY)短編45分
大石晟雄(劇団晴天)短編45分
・アフターイベント(詳細はブログにて)
 
 ●「最後の楽園」作・演出 守利郁弥(Dr.MadBOY)
−あらすじ
待望の夏、到来。
齢は20を過ぎ、朝一のプール、真夜中のクワガタも思い出のあとさき
だがぼくたちは諦めない。残りの自由を振り絞り
海の向こうに思いを馳せる…
ひとりは「パリ」へ
ひとりは「メキシコ」へ
ひとりは旅に出た兄が向かう「最後の楽園」へ
小さな部屋で企てる、列島からの脱出計画。
最後の夏休み、ぼくたちはどこへ行くのか。

−キャスト
ハルキ  守利郁弥
ケーイチ 坪井一季
スミオ  間田月一
ハルオミ 宮井浩行(劇団喫茶なごみ)
 
●「たいふうとおまつり」 作・演出 大石晟雄(劇団晴天)
−あらすじ
だいすけは宇宙人だ。
今じゃなんとなく、言葉もわかるようになった。
テレビは分解されちゃって、
インドアな僕の生活はすっかりひっくり返されてしまった。
2階の部屋は三角形で、屋根に出るための天窓がついていて、
僕らはいつもそこから旅立っていた。

だいすけは宇宙人だ。多分いつか飛んでいくのだ。
知っているからさみしくない。
不思議なんていくらでもあった、夏の終わりの終わりの話。
 
−キャスト
優一   吉牟田大幹(オフィスエルアール)
れい   平井隆也(劇団円想者)
大介   荒木広輔
悟    大川健斗

ご予約:https://www.quartet-online.net/ticket/short2 
Twitter: @ds_short2
Blog: http://ameblo.jp/ds-short/ 
情報源 

 

「コミュニケーション力と発想力を鍛える、はじめての演劇ワークショップ」講師 黒澤世莉氏 花まる式演劇WS 2016/8/27(土)

演劇で『21世紀型学力』を育む!夏休み企画 高濱プロデュース 花まる式演劇ワークショップ〜花まる学習会王子小劇場「教育×演劇」のコラボ第一弾〜

演劇の魔法で「ひと味違う自分」になる。
夏休み企画 高濱プロデュース 花まる式演劇ワークショップ
夏休み企画 高濱プロデュース 花まる式演劇ワークショップチラシ 

■「コミュニケーション力と発想力を鍛える、はじめての演劇ワークショップ」講師 黒澤世莉氏 2016年8月27日(土)

演劇には、自分と他者のコミュニケーションを使った芸術という一面があります。その部分を活かして、ゲーム形式で「演劇の時間」を体験します。自分の身体や感じ方、他人の身体や感じ方を、実際に体を動かしたり声を出したりしながら、味わっていきます。最後にはグループで、小さな演劇作品の発表までします。

花まる学習会の先生方と劇団時間堂の皆さんで、今日のワークショップの流れを確認して、準備をしました。

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花まる学習会と王子小劇場が出会った繋がりは、かつて、王子小劇場のビルの2階にあった物語Bar狐の木でバーテンダーをしていた渡辺栄治さん(現花まる学習会)とのご縁でした。今日のワークショップではさらに二代目狐の木店長をしていた黒澤世莉さんが講師をして頂きます。ということで3人で記念写真も撮りました。

佐藤孝治(左)、黒澤世莉さん(中央)、渡辺栄治さん(右)

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宇宙空間をさまようエイジマン

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【芝居】「未開の議場 〜北区民版〜」北区民と演劇を作るプロジェクト [Aチーム] 16/8/26日(金)19:30

「未開の議場 ~北区民版~」北区民と演劇を作るプロジェクト は、3/4(金)と3/6(日)に行われたオーディションで選ばれた北区民の役者と、演劇・テレビ・映画等で活躍している役者が結集して生み出された舞台です。

6月と7月は週二回、8月は週三回、直前期は連続で稽古をして1つの舞台を創り上げてきました。私は、2016/8/26日(金)19:30[Aチーム]の初日の舞台を観てきました。

予告動画を紹介します。

写真は初日の舞台が終わった後の打ち上げの様子です

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北区の広報誌「北区ニュース」を観て応募をしてきたいわば素人の役者さんが、北とぴあのペガサスホールで公演をするという話を聞いた時に、果たしてどんな仕上がりになるのだろうかとずっと気になっていました。協力団体「花まる学習会王子小劇場 × 北区文化振興財団 × カムヰヤッセン」を観た瞬間に、北区文化振興財団ってスゴイなあと思いました。

ちなみに「北区民と演劇を作るプロジェクト「未開の議場」創作日誌」が個人的にツボすぎてたまりませんでした。これを読むとこのプロジェクトに関わる人の本気が伝わってきます。是非読んでください。

このプロジェクトがどうやって始まったのかを聞きました。

花まる学習会王子小劇場の芸術監督を務める北川大輔さんが脚本・演出で2014/10/22(水) ~ 2014/10/27(月)に王子小劇場で公演したカムヰヤッセン「未開の議場」を観た北区文化振興財団の武藤洋さんが北川大輔さんに「この作品は素晴しいので北区発の演劇として全国行脚をしてみてはどうか」というお話をしました。このオファーに対して北川さんは「北区の皆さんと一緒にお芝居を作りたいです」と伝えました。

ここから北区民と演劇を作るプロジェクトが始まったのです。

ちなみに、王子小劇場で公演したカムヰヤッセン「未開の議場」は、2014年佐藤佐吉賞最優秀助演男優賞(小沢道成)・優秀作品賞(カムヰヤッセン)・優秀脚本賞(北川大輔)・優秀助演女優賞(宍泥美)をそれぞれ受賞しています。これだけ実積のある脚本「未開の議場」です。

それで、初日の公演は、どうだったのか。

はい。仕上がっていました。

数々の舞台で鍛えてきた若い役者のスキルと、リアルな人生の舞台で年輪を重ねてきた北区民リアルが魅力的な「未開の議場」の舞台を創造していました。ちゃんと演劇を楽しめますし、いろいろと考えされられました。これからの日本をどうしていくのか、地域をどうしていくのか、日本人の良い所ダメな所、大切なことは何か、会議のやり方、などなど、いろいろと考えさせられました。そして、僕は泣きました。

北川さんがトメニア語をしゃべっていたり、いろいろとリアルだったので、トメニアという国はどこだっけなあと思って調べたら、『チャップリンの独裁者』の中で出てくる架空の国でした。笑。

この舞台は、あなたに観て欲しいです。自信をもってお勧めします。

観劇後にインタビューをさせて頂きました。

 

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「未開の議場 〜北区民版〜」北区民と演劇を作るプロジェクト [Aチーム] 2016年8月26日(金)〜29日(月)26日(金)19:30[Bチーム]2016年9月1日(木)〜9月4日(日)1日(木)19:30 

【脚本・演出】北川大輔(カムヰヤッセン)

あらすじ
トメニア人労働者が多く住む地方都市、幸笠県萩島町。商店街の青年部が主催して、来月「萩島フェスタ」なるお祭りの実行委員会の会議がはじまる。基本的には進行の確認と、拍手の承認くらいで終わるはずだった。が、銭湯の女主人が口にしたタトゥーの入ったトメニア人の入湯拒否が訴訟にまで発展した話題から、各々の委員が抱えるトメニア人との問題が噴出し、会議は思わぬ方向へと走りだすのだった。

外国人問題を扱うに当たり、実際にブラジル人を始めとした外国人労働者が多く住む群馬県大泉町にフィールドワークに赴き、現地の行政の方や、民間レベルで活躍されるコーディネーターの方などに取材を重ねて製作された。上述の大泉町のような地方都市をモデルにし、古くは「12人の怒れる男」、または、三谷幸喜氏の「12人の優しい日本人」に連なる会議モノで、緻密な伏線と魅力的な登場人物によるドタバタ、どんでん返しが楽しめるエンターテイメント作品となった。と同時に、現在問題になっているネット右翼ヘイトスピーチなど、他国、民族への差別などを題材にしており、「異文化との共生は、その場所に住んでいる、ということをまずは是認する・寛容になる」ことに始まる、というメッセージを伝えている。

2014年佐藤佐吉賞最優秀助演男優賞(小沢道成)・優秀作品賞(カムヰヤッセン)・優秀脚本賞(北川大輔)・優秀助演女優賞(宍泥美)をそれぞれ受賞。

【出演】
[Aチーム]
牧座内みゅーじ 松山舞 内山拓磨 藤堂朝子 岩本好礼 藤原蕨 daifuku 荘司まゆみ 森田祐吏 大森れみ さとうみみ 安藤理樹 三村萌緒 北川大輔

[Bチーム]
岩本好礼 柴田和美 daifuku 桜井由美子 内山拓磨 井田雄太 森田祐吏 さとうみみ 石本工 三村萌緒 高橋ルナフ 安藤理樹 萩原深雪 北川大輔

【スタッフ】・演出補佐 池亀三太 ・照明 黒太剛亮(黒猿) ・宣伝美術 安藤理樹

【チケット】
〈全席自由〉
前売・当日 2500円
北区民・北とぴあメンバーズ 2250円
学生 2000円
高校生以下 500円

[取り扱い]
北とぴあ1階チケット売場(窓口のみ10:00~20:00)
※臨時休館日は10:00~18:00、全館休館日は休業

・WEB予約フォーム (当日精算予約)
https://ticket.corich.jp/apply/75370/

【共催】東京都北区 公益財団法人北区文化振興財団 花まる学習会王子小劇場
【協力】カムヰヤッセン
【企画・製作・主催】北区民と演劇を作る会 実行委員会

【日時】
[Aチーム] 2016年8月26日(金)〜29日(月) 全6ステージ
8月
26日(金)19:30
27日(土)12:00/18:00
28日(日)12:00/18:00
29日(月)19:30

[Bチーム]2016年9月1日(木)〜9月4日(日) 全6ステージ
9月
1日(木)19:30
2日(金)19:30
3日(土)12:00/18:00
4日(日)12:00/17:00
※受付開始は開演の45分前、開場は30分前です。

【会場】
北とぴあ ペガサスホール(北とぴあ15階)
〒114-0002 東京都北区王子1-11-1
JR京浜東北線王子駅北口徒歩2分、東京メトロ南北線5番出口より直結 

創作日誌が公開されています。

「発散」を楽しく学ぶワークショップ 講師 伊澤玲氏 花まる式演劇WS 2016/8/26

演劇の魔法で「ひと味違う自分」になる。
夏休み企画 高濱プロデュース 花まる式演劇ワークショップ

■「発散」を楽しく学ぶワークショップ 講師 伊澤玲氏
楽しく動いて考えて、普段はため込んでしまうような表現欲求を発散させる、「全力で演劇を遊ぶ」90分です。お芝居に興味がある子供たちでも、体力的に弱かったり内気で引っ込み思案な子どもたちでも、創作活動を通じて快活、元気になってもらうためのワークショップです。

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(レポートは後ほど書きます)